第四話 効能

 
2人でSMをする中で、今まで当たり前と思ったことが
当たり前じゃないと感じるようになったことです。

人は誰でも身近にいる人、身近なものは大切にしなくなっていきます。
時間が長くなるほど余計に・・・

SMにおいて女王様に触れること、ましてやキスなんて出来ないわけで、
あってもブーツ・足を舌でご奉仕するぐらいです。

そのような中で、日常生活においても手をつなぐ・キスをする、
体に触れることに嬉しさを感じるようになってきました・・・

唯ちゃんからも、
「最近、優しくなったよね~何かあった?」というので、
このことを話すと、
「私はあまり触りたくないけどね~」と言われ、
心がポキポキと折れる音が・・・
唯ちゃんが「うそうそ」と笑いながら言うわけですが、
本当に今まで以上に仲良くなっていきました。

身近な人ほど感謝を忘れがちになるものですが、
そういう意味では唯ちゃんに感謝を忘れてはならないなと感じるようになりました。
とは言っても、時間とともにそういう気持ちは薄れていくわけですが、
SMを通じてまた思い出すという不思議な機会になりました。

これってSMの効能じゃないかなと思っています。