第二十一話 首輪

 
日々での生活はもちろんのこと、
SMプレイを通じて唯ちゃんに対する気持ちや影響が大きくなる中で、
唯ちゃんを幸せにするぞと結婚も視野に入れ、唯ちゃんにもそのことを伝えました。

唯ちゃんは喜んでくれていました。

その中で、私自身人生の勝負をしようと決断し、
唯ちゃんにもそのことを相談していましたが、
唯ちゃんは反対でした。

「そこまで無理してほしくないと・・・今のままで私は十分・・・」

これからこの業界も先行きがわからなくなる中で、
次の一手を打たなければ将来生活に困るかもしれない・・・
唯ちゃんとの幸せを考えると・・・
ここが人生の勝負するときと唯ちゃんに説得しました。

唯ちゃんには、「3年だけ待ってほしい。」とお願いし、
本当にしぶしぶ了承をしてくれました。

ただ、私が突っ走りすぎたところもあり、
唯ちゃんと会う機会も一気に減りました。
電話では話をしていたものの、なぜか距離が開いてしまいました。

そして、4か月後唯ちゃんから別れを告げてきました。
唯ちゃんも3か月考えてくれたようですが、
唯ちゃんが言っていた、「今のままでいい」という言葉が胸に刺さります。

離れてしまったものをつなぎとめるのは無理なのはわかっていたので、
ましては3か月も考えてくれた決断、別れる形になりました。

ここは自分が唯ちゃんの意見を聞かずに突っ走ったことが原因です。
もし、あのままでいればサイトも作ることはなかったかもしれません・・・

そして、数週間経ったころ・・・

唯ちゃんから郵便が届いた。

中に入っていたのは、リードのついた首輪だった・・・

この時、なぜか涙が流れた・・・
この瞬間、心の中にブラックホールのような大きな穴が開いた・・・